日本では、厚生労働省治療標準化研究班による「C型慢性肝炎の治療ガイドライン 2011」が発表されています。初回投与の高ウイルス量症例では、ジェノタイプにかかわらず、インターフェロンと抗ウイルス剤との併用療法が推奨されています。ただし、併用療法の治療期間はジェノタイプとウイルス量によって違いがあり、ジェノタイプ1かつ高ウイルス量は、3剤療法であれば24週間、2剤療法であれば通常48〜72週間、それ以外は通常24週間です。
C型慢性肝炎治療のガイドライン 2011
(ウイルス性肝炎における最新の治療法の標準化を目指す研究班)
監修 国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 分院長 熊田 博光 先生
初回治療
| ジェノタイプ1 | ジェノタイプ2 | ||
|---|---|---|---|
| ウイルス量 | 高ウイルス量 5.0LogIU/mL以上 300fmol/L以上 1Meq./mL以上 |
●ペグイントロン+レベトール 併用療法(48〜72週間) ●ペグIFNα-2a+リバビリン 併用療法(48〜72週間) ●IFNβ+レベトール(48〜72週間) |
●ペグイントロン+レベトール 併用療法(24週間) ●IFNβ+レベトール(24週間) |
| 低ウイルス量 5.0LogIU/mL未満 300fmol/L未満 1Meq./mL未満 |
●IFN単独療法(24週間) ●ペグIFNα-2a単独療法 (24〜48週間) |
●IFN単独療法(8〜24週間) ●ペグIFNα-2a単独療法 (24〜48週間) |
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(プロテアーゼ阻害剤使用可能後のガイドライン)
| ジェノタイプ1 | ジェノタイプ2 | ||
|---|---|---|---|
| ウイルス量 | 高ウイルス量 5.0LogIU/mL以上 300fmol/L以上 1Meq./mL以上 |
●ペグイントロン+レベトール +テラプレビル 24週間 |
●ペグイントロン+レベトール 併用療法(24週間) ●IFNβ+レベトール(24週間) |
| 低ウイルス量 5.0LogIU/mL未満 300fmol/L未満 1Meq./mL未満 |
●IFN単独療法(24週間) ●ペグIFNα-2a単独療法 (24〜48週間) |
●IFN単独療法(8〜24週間) ●ペグIFNα-2a単独療法 (24〜48週間) |
|
| ※ | Hb値を考慮して、プロテアーゼ阻害剤を含む3者併用療法を行うことが困難と予測される場合は、IFN+リバビリン併用療法を選択する。 |
| ※ | Genotype1、2ともにうつ病・うつ状態などの副作用の出現が予測される症例に対してはIFNβ+リバビリン併用療法 |
再治療
A 新規に治癒目的の再治療を行う症例に対する治療法の選択
- ジェノタイプ1・高ウイルス量症例に対するIFN+リバビリン併用療法再燃例への再治療はペグIFN+リバビリン+プロテアーゼ阻害剤3剤併用療法(治療期間24週間)の治療効果が極めて高い(治癒率88%)ことから、プロテアーゼ阻害剤が使用可能になるまでは、発癌リスクの高い例(50歳以上F2以上の症例)は病期の進展を考慮し、発癌予防を目的にALT値とAFP値の正常化を目指しIFN単独長期投与を選択することが望ましい。
- 低ウイルス量症例や2型高ウイルス量症例でIFN再燃・無効例への再投与はIFN+リバビリン併用療法24〜36週間投与が再治療の基本である。
- うつ病・うつ状態などIFNαが不適応および、ペグIFNα+リバビリン併用療法でうつ状態が出現した症例に対してはIFNβ+リバビリン併用療法を選択する。
B 現在治癒目的の再治療中の患者に対する治療法の選択
- 初回1型高ウイルス量症例でIFN再燃・無効例への再投与はIFN(αまたはβ)+リバビリン併用療法48〜72週間投与が、治療の基本である。
- 初回1型高ウイルス量症例でIFN+リバビリン併用療法再燃(治療後36週までにHCV RNA陰性化例)への再投与はIFN+リバビリン併用療法72週間投与が望ましい。
C 進展予防(発癌予防)の治療
- リバビリン併用療法の非適応例あるいはリバビリン併用療法で無反応例の中で発癌リスクの高い症例(50歳以上F2以上)では、IFNの副作用の素因を考慮し、発癌予防目的のIFNの長期投与が選択肢となる。なお、IFN-α製剤は300万単位/日を3回/週を原則とし、在宅自己注射(ペグ製剤を除く)も可能である。またペグIFNα-2a製剤を使用する場合は90μg/日を1回/1〜2週を使用する。なお、IFN製剤投与開始6か月以内にALT値 and/or AFP値の有意な低下が見られない場合は発癌抑制効果が期待出来ないため治療を中止する。
- IFN非適応例およびIFNでALT値、AFP値の改善が得られない症例は肝庇護剤(SNMC、UDCA)、瀉血療法を単独あるいは組み合わせて治療する。
- 進展予防(発癌予防)を目指した治療のALT目標値はstage1(F1)では、持続的に基準値の1.5倍以下にcontrolする。stage2-3(F2〜F3)では、極力正常値ALT≦30IU/Lにcontrolする。
■1型高ウイルス量症例でIFN+リバビリン併用療法を開始にあたってのホスト側の因子(IL28B)およびウイルス側の因子(ISDR及びCore aa70)からみた治療適応
- IL28Bの遺伝子rs8099917がTTで、ISDRがMutant(≧2)、Core aa70がWildの症例は、IFN+リバビリン併用療法での治療効果が高いことからプロテアーゼ阻害剤の使用可能な時期まで治療を待つことなく早期にIFN+リバビリン併用療法を開始することも選択肢のひとつである。
- IL28Bの遺伝子rs8099917がTG、GGで、ISDRがWild(0-1)、Core aa70がMutantの症例は、IFN+リバビリン併用療法での治療効果が低いことからプロテアーゼ阻害剤の使用可能な時期まで治療を待つことも選択肢のひとつである。
■C型慢性肝炎に対する治療の中止基準
- ペグIFNα+リバビリン併用療法を行っても投与開始12週後にHCV RNA量が前値の1/100以下に低下がなくHCV RNAが陽性(Real time PCR法)で、36週までに陰性化がなく、かつALT・ASTが正常化しない症例は36週で治癒目的の治療は中止する。
- 1型高ウイルス量症例へのペグIFNα+リバビリン併用療法で、投与開始36週後にHCV RNAが陽性(Real time PCR法)でもALT値が正常化例は、48週まで継続治療を行い、治療終了後の長期ALT値正常化維持を目指す。
- 進展予防(発癌予防)の治療で、IFN製剤投与開始6か月以内にALT値 and/or AFP値の有意な低下が見られない場合は発癌抑制効果が期待出来ないため治療を中止する。
C型慢性肝炎の治療(ガイドラインの補足)
- 1型高ウイルス量症例へのペグIFNα+リバビリン併用療法の投与期間延長(72週間投与)の基準:投与開始12週後にHCV RNA量が前値の1/100以下に低下するが、HCV RNAが陽性(Real time PCR法)で、36週までに陰性化した症例ではプラス24週(トータル72週間)に投与期間を延長する。(尚、50歳以上、血小板が13万以下の症例、または肝生検でF3の症例では投与開始9週目以降にHCV RNAが陰性化した症例では72週間投与も考慮する。)
- ペグIFNα+リバビリン非適応例・無反応例に対するIFN単独長期療法は、最初の2週間は通常量の連日または週3回間歇投与とし、最大8週間でHCV RNAが陰性化しない症例は、発癌リスクを考慮して通常量の半分量を長期投与する。またはペグIFNα-2a製剤を使用する場合は、90μg/日を1回/1〜2週使用する。
| − | 本ガイドラインは、厚生労働科学研究費補助金 肝炎等克服緊急対策研究事業(肝炎分野)「ウイルス性肝炎における最新の治療法の標準化を目指す研究」平成22年度総括・分担研究報告書(2011年3月発行)より「初回治療ガイドライン」を改変。 |
- C型慢性肝炎治療の変遷と
治療ガイドライン - 臨床成績

(ジェノタイプ1かつ高ウイルス量、3剤併用24週)- 初回治療例を対象とした国内第III相臨床試験(非劣性試験)
- 前治療後再燃例を対象とした国内第III相臨床試験
- 前治療無効例を対象とした国内第III相臨床試験
- 臨床成績
(ジェノタイプ1かつ高ウイルス量、48週) - 臨床成績
(ジェノタイプ2およびジェノタイプ1かつ低ウイルス量、24週) - 安全性に関する情報
- 3剤併用24週
- [皮膚障害]
- [貧血(ヘモグロビン減少)]
- 2剤併用48週
- より安全にご使用
いただくために




