病診連携レポート Case Study 2【群馬県】

病診連携は医療の質を高め、経営にもプラスになる

語り手 月岡内科医院(群馬県高崎市) 副院長 月岡 玄吾 先生

患者さんを失うという大きな誤解

診療所の医師は、大病院へ紹介すると「患者さんを失うのではないか」と心配しがちです。私自身も少し前までは、そうした考えが頭の片隅にありました。

しかし、基幹病院の専門医の方々とコミュニケーションをとると、じつは病院の外来が混雑していて、十分な診療ができないことに悩みをお持ちだとわかりました。インターフェロンやグリチルリチン製剤の注射などは、診療所でやってもらいたい、という話もいただきました。

診療所と病院は、もっとコミュニケーションをとって連携していく必要があります。それが医療の質を高めるとともに、経営的な側面からもプラスになると、最近になって気づきました。

早期発見・早期治療の大切さを痛感

こんな患者さんがいらっしゃいました。自治体の節目検診で、HCVキャリアと判明した男性Aさん(66)。インターフェロン治療のお話もさせていただいたのですが、現役の働き手であり様子をみたいとのこと。肝機能は正常であり、4カ月後の再来院を促して初診を終了しました。数カ月後、来院したAさんにエコー検査をしたところ、小さな腫瘍らしきものが見つかりました。

専門医のいる病院を紹介して精密検査を受けてもらったところ、やはり肝がんとのこと。横隔膜の下で局所治療が難しく、開腹による肝切除術となりました。幸い術後の経過は順調ですが、HCVを早く発見すること、さらにインターフェロン治療に早く取り組むことの大切さを痛感した症例となりました。

ただ、病診連携の面では、腫瘍の疑いを発見した際に、専門医のいる病院のCT室にダイレクトに電話を入れることができ、2日後にはCT検査実施にこぎつけるなど、素早い対処ができました。CT室と直接やりとりする仕組みが構築されていたことは評価できると思います。

いずれはインターフェロン注射も手がけたい

ほかにこんな患者さんもいらっしゃいます。15年前に一度、インターフェロン治療に取り組んで奏効しなかった経験のある72歳の男性Bさん。グリチルリチン製剤の注射で肝機能のコントロールを試みてきましたが、最近、数値がよくありません。血小板も10万/mm3くらいです。

専門医のいる病院を紹介し、肝生検をしてもらったうえで、ペグインターフェロン+リバビリンの適応かどうか判断してもらうことにしました。

Bさんは高血圧と糖尿病があり、当院で処方した薬でコントロールしています。インターフェロン治療に入ることになった場合も、高血圧と糖尿病の治療は、当院で継続するつもりです。

ペグインターフェロンの注射もいずれは当院で手がけたいと考えていますが、看護師に経験がないため、すぐには実行できません。副作用が現れた場合にも十分に対処できるように、今後、看護師の教育に力を入れていきたいと考えています。

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